Worry Cake 02

ショートケーキ

 白井あやこは街を暗い顔で歩いていた。あやこは自分の横を通り過ぎる何人もの女性の服装を見て、ため息をついた。あやこには今悩みがあった。人からすればたいしたことではないのだろうが、あやこは真剣に悩んでいる。あやこはまたため息をついた。あやこは家に帰るために駅前のバス停に向かった。角を曲がる。
「あら?」
 あやこは異変に気がついた。曲がり角にあるのは美容院であったはずなのに、目の前にはカフェがある。白を基調とし、ヨーロッパ海辺にある家のようにおしゃれであるが、外壁は多少汚れていて昔からあったかのような空気を醸し出している。
「ここって、美容院じゃなかったっけ?」
 あやこは周りを見た。通り過ぎて行く人々はカフェがあることを不思議に思っていないようで、前を通り過ぎて行く。あやこの記憶違いだろうか。あやこはカフェを眺めた。見れば見るほど昔からそこにあるように思えてくる。
「それにしても、素敵なお店ね。……入ってみようかな」
 普段は喫茶店やカフェといったものに滅多に入らないあやこではあるが、入ってみることにした。このカフェには、そんな魅力があった。
 元は黒であったであろうと思われる扉を押して開ける。カランカランッ、とカウベルが鳴った。

「いらっしゃいませ」

 そう言って出迎えたのは、ここのマスターであろうと思われる男だった。カウンターの内側にいて、黒いベストに黒いズボンという格好に片眼鏡をしている。二十代と思われる若さだが、他に従業員もいないようなので、この男がマスターだろう。
「こちらへ、どうぞ」
 マスターにそう言われ、あやこはカウンターに腰を下ろした。横には絵本を読んでいる少女がいる。少女は白色のワンピースを着ている。少女はあやこの視線を気にせず絵本を読んでいる。
「こちら、メニューでございます」
 マスターはあやこにそう言ってメニューを差し出した。あやこはメニューを受け取り、開いた。そこには様々なケーキや飲み物、軽食の名前が書かれている。写真が載っているものもあり、どれもおいしそうだ。そんな中で「今日のケーキセット」というメニューが目に入った。
「あの……この「今日のケーキセット」のケーキってなんですか?」
「本日はショートケーキです」
「じゃあ、それの紅茶のセットのホットで」
「紅茶はストレートとレモンとミルクとございますが?」
「うーん……ミルクでおねがいします」
「かしこまりました」
 マスターは奥のキッチンで紅茶とケーキの準備を始めた。あやこは店内を見渡した。明るすぎない少し暗めの照明で、テーブルやイス、床は木製だ。窓は何か所かステンドガラスのところもある。ジャズが静かに流れている。心が落ち着く。
「お客様」
 マスターがあやこに声をかけた。
「あ、はい」
 あやこは自分の行動を見られたと思い、急に恥ずかしくなって背筋を伸ばして下を向いた。しかし、マスターはまだ背を向けていた。見られていなかったことがわかると、安心して胸をなでおろした。マスターはそんなあやこに気づかず言葉を続けた。
「なにか、悩みでもあるのですか?」
「え……?」
 あやこは一瞬自分の顔に出ているのか、あせったが背を向けていた。しかしそれがわかったのかマスターは続けて言った。
「ここにはなにか悩んでいるお客様がよくいらっしゃるので」
 ティーポットを手に持ったままマスターは振り返って、笑顔を浮かべる。
「もし自分でよろしければ話してくれませんか?聞くくらいしかできませんが」
 あやこはマスターの優しい笑顔を見て、なぜか話を聞いてもらいたい、という気持ちが沸いた。あやこは下を向いて話し始めた。

 私の職場はみんないい人なんです。面倒見がよかったり、ムードメーカーだったりして。私、人見知りなんですけれど入社したときから親切にしてもらっていました。最初は私も一緒に職場の人たちといると楽しかったんです。  けれど……ある日、服装の話になりました。私、昔男友達に「お前がスカートなんて気持ち悪い」って言われたことがあって、それ以来スカートを着るのが苦手になってしまったんです。制服なら平気なんですけれど……。だから、職場の人たちにスカートを穿かないって言ったら「穿いたらいいのに」って勧めてくれたんです。けれど、笑ってごまかしました。その日から時々「スカート穿こうよ」とか「もっとかわいい格好しようよ」って言われることが増えました。最初は、少し……ううん、結構嬉しかったんです。私、男兄弟の中で育ったせいかあまり服装も女性らしいものを着たことがなくて女性扱いされたことも、ほとんどなかったので。……けれど、だんだんそう言われることが嫌になってきてしまったんです。なんて言うんでしょう。
 ……私、そんなにいけないのかなって。かつては確かに女性らしいとは言えませんでした。けれど、今は昔に比べれば落ち着いたつもりです。口調も直しましたし、動きも大人しくするように心がけています。女性は必ず私服でもスカートを穿かなくてはいけないんですか?私は、完全に女性にならなければいけませんか?私は……男の友達と、対等に接したいと思ってはいけませんか?

 カチャンッ、とティーカップがあやこの前に出された。ミルクティーの香りが漂ってくる。
「ミルクティーでございます」
 あやこは顔を上げてマスターを見た。マスターの顔には笑みが浮かんでいた。マスターは静かにケーキの乗った皿をあやこの前に置いた。
「ショートケーキでございます」
「え?あの……これがショートケーキ、ですか?」
 あやこがそう言うのも無理はない。皿に乗っているショートケーキは生クリームにイチゴが乗っている三角形のスポンジケーキというお約束のものではなく、生クリームの上にイチゴのジャムのようなものを塗っている丸いケーキだったのだ。
 あやこはケーキを見てからもう一度マスターを見た。マスターは口元に笑みをたたえたまま説明を始めた。
「よく見るショートケーキ――スポンジケーキにたっぷりと生クリームを全体に塗ってイチゴをのせたというもの――は日本特有のものなのですよ。アメリカやフランスはスポンジケーキではないのです。
 フランスもスポンジを使いますが、こちらにはアーモンドが使われていてお酒に漬けます。クリームも生クリームではなくカスタードクリームと、バタークリームというバターを使ったクリームを使います。イチゴは中にはさんでいて、表面にはマジパンが覆っていますね。……そういえばフレジェ、という名前で出しているお店もありますね」
「あ、あの……そのまじぱんってなんですか?」
 マスターは微笑んだまま「砂糖とアーモンドを練り合わせたお菓子ですよ」とあやこに説明したあと、ショートケーキの話を再開した。
「そして、これがアメリカのショートケーキです。
 アメリカのショートケーキはスポンジの代わりに甘めに味付けをしたビスケット――といってもスコーンに似ているものですが――を使います。刻んだイチゴに砂糖を振ったものを、二つに割ったビスケットで挟み、ビスケットの上にはホイップクリームやイチゴをトッピングするのですよ」
 あやこは初めて聞く話に耳を傾けていた。ショートケーキをまじまじと見る。そんなあやこを見てマスターはくすり、と優しく笑う。
「すみません。つい長話を……。どうぞ、お召し上がりください」
「あ、はい」
 あやこは、自分の姿が食い意地を張っているように見えてしまったことが恥ずかしくなった。あやこはフォークでケーキを掬う。普通のショートケーキに比べるとサックリしている。口に入れるとイチゴとビスケットの甘みが口に広がる。
「おいしい!」
「よかったです」
 マスターは嬉しそうに笑う。
「あの、すみません。こんなことを……」
 申し訳なさそうにあやこが言うと、マスターは笑顔のまま「いいえ」と答えた。そしてその直後、マスターの目の色が黒から一瞬緑色に変わったこと、瞳孔がすう、と縦になったことに気付いたのはあやこの横にいる少女だけだった。マスターはティーカップを磨く格好だけをして、あやこが食べたケーキの残りを見る。ケーキが半分くらいになったとき、マスターはあやこに話しかけた。
「いくつか、お訊ねしてもよろしいですか?」
「あ、はい」
 マスターは笑顔という仮面に自分の欲望を隠したまま、あやこを見つめる。
そのとき店内がぐにゃり、とねじれた。ただし、あやこは気付いていない。それは視覚で認知できるものではないからだ。また、人間がわかるものではない。マスターの詰めが始まった。
「あなたは『ご自身のことを否定されたからスカートが嫌』なのですか?それとも、必要以上に『スカートを穿けと言われることが嫌』なのですか?それとも……必要以上に『自分の世界に入ってこられるのが嫌』なのですか?」
 マスターはさっきまでのさわやかな笑顔ではなく、どこか粘着質な笑顔を浮かべている。これがマスターの本当の笑顔なのだ。
「え……?」
「お答えください」
 答えることにためらいを覚えたが、あやこはなぜかマスターに逆らえなかった。
「きっと、『過去を否定されたこと』も『スカートを穿けと言われること』も嫌なんです」
 あやこのその返答を聞いたマスターはあやこを見つめたまま再び訊ねた。
「なぜ、スカートを穿きたくないのですか?もう男友達の方もあなたが女性であると認識していると思いますよ?もう似合わない、とは言わないのではないでしょうか」
「……怖いんです」
「何が怖いのですか?」
「気を使わせているんじゃないかって……。この年なら似合わなくても似合うって言わなくちゃいけないこともあるから……」
「だから、本当は似合っていないと思われているのではないかと考えているのですね?」
 あやこはゆっくりと、首を縦に振った。すう、と涙が流れる。マスターは右手であやこの頬を包みこんだ。
「ずっとそれを思っていたんですね。……もう大丈夫ですよ。さあ、もう泣くのはやめてください」
 あやこはマスターの仕草に胸を高鳴らせた。が、マスターは特になにも感じていないのか、すぐに包んでいた手のひらを離した。あやこは自分を落ち着けるためにケーキを再び食べ始めた。
 しばらくして、あやこがケーキを食べ終わり、紅茶を飲んでいるときにマスターはあやこに声をかけた。
「お客様」
 マスターはあやこを見つめたまま続けた。その顔にはさきほどの粘着質な笑みはなく、多くの人が好感を持つ笑顔に戻っていた。
「ショートケーキは国によって形が違います。もしもショートケーキに心があったならば、変わりたくなかったかもしれません。けれど、日本でもスポンジケーキのショートケーキもフレジェも食べられています。……ケーキでも同じものが姿や味が変わっていても、受け入れてもらえるのです。人であるお客様がスカートを穿いて認められないはずはありませんよ」
 マスターは棚の戸を開いた。あやこと少女はこのとき初めて棚の中にリボンが結われている包みがあることに気がついた。マスターはその包みを手に取り、あやこに差し出した。
「よかったら受け取ってください」
 あやこは皿とティーカップを移動させ、マスターから包みを受け取った。マスターの顔を見る。マスターが笑顔で包みを開けるように促すと、あやこは恐る恐るリボンをほどき、包みを広げた。包みから現れたのは、真っ白な生地に桜色のグラデーションがかかっているロングスカートと麻で編んだベルトだった。
「あ、あの……これって……」
「きっとお客様に似合うと思いまして」
 あやこの頭の中にはなぜマスターがそんなものを持っているのだろうか、どうして自分に渡したのだろう、など疑問が渦巻いていた。マスターはそれがわかったのか言葉を紡いだ。
「ご迷惑ではなければもらっていただきませんか?」
「え……?」
 あやこは迷いと不安が入り混じった表情をその顔に浮かべていた。マスターは「男である自分が持っていても使い道がないので」と付け足した。
「けれど……」
 あやこはまだ迷いと不安が混ざっている。マスターは顎に手を添えて少し考える格好をし、考えを述べた。
「ならば、お代でどうですか?お客様がそのスカートを穿いて帰る、ということで」
「え……」
 マスターはあやこが本当はスカートを穿いてみたいのではないのか、と。けれど、一度否定されたことがひっかかりまた否定されるのではないか、という恐怖が躊躇わせていることもわかっていた。ならば強引にではなく、納得した形にすればいい。そして「これは相手に言われたから」と自分に言い訳できる場も作っておく。それが「お代として」だ。あやこはしばらく悩んだ。妥協策をいくつかマスターに出したがやんわり、と断られた。それからまたしばらくあやこは考えていたが、ようやく決心をしたようで、すっ、と立ち上がった。
「あの……お手洗いはどこですか?」
「あちらにございますよ」
 マスターはテーブル席の奥にある扉を指さした。あやこはスカートを持って手洗いに向かった。マスターはケーキのなくなった皿を満足そうな笑みを浮かべて下げた。金銭を払うことを考えればスカートを穿いてケーキセットの料金がタダになるのだから、多くの人はスカートを穿くだろう。
 それからどれくらい経っただろう。マスターは皿を洗い終え、別のティーカップを磨いていた。キィ、と手洗いの扉が弱弱しく開く音がした。マスターと少女は手洗いのほうを見た。そこにはあのスカートを穿いて麻のベルトをしていた。あやこは涙をためてびくびくしている。
「よくお似合いですよ、お客様。かわいらしいですね」
 世辞ではない。愛らしく、本人が言っていたような昔の男勝りであった部分など一切ない。女性らしさを絵に描いたようだ。本当によく似合っている。それなのに、なぜスカートが似合わないと言われたのだろうか。マスターはあやこの自信なさそうな表情を見て、もう一度言った。
「本当によくお似合いですよ。ねえ」
 マスターは少女に話を振った。少女は首を縦に振った。少女は嘘をつかない。それをあやこに伝えると、あやこは照れているのか少し顔を赤くして下を向いた。そのとき、腕につけていた時計が目に入ったのか、あやこは大きな声を出した。
「えっ、もうこんな時間?」
 時計の針は五時を指していた。あやこはズボンに穿き変えようと思ったが、ケーキセットの『代金』がスカートを家まで穿いて帰ることであったのを思い出した。急に恐怖があやこの心に襲ってきた。それがわかったのかマスターは微笑みを浮かべたまま「大丈夫ですよ」とあやこに言った。しかし、何度そう言われても自信が持てない上にまた似合わないと言われるのではないかという恐怖が居座るのだ。そのとき、少女がイスから腰をあげ、扉のほうへ向かった。そして、扉を開いた。
「大丈夫。あなた、似合っているから」
 少女は表情を出していないが、それが本心から言っていることであるのをあやこは感じ取っていた。
「ありがとうございました」
 マスターはゆっくりと店を出ていくあやこの背を見送った。

 あやこは店を振り返った。するとそこはさっきまでいたカフェではなく、この場所で長年やっている美容院だった。
「え?」
 あやこは自分の服装を見た。あのカフェで穿いたロングスカートだ。何度も美容院の看板とロングスカートを見る。
「どう、いう、こと?」
 あやこの頭の中は絡まったネックレスチェーンのようにぐちゃぐちゃで、絡まったところは解きにくく乱暴にすれば手がかりが切れてしまいそうだ。ゆっくり、頭の中のチェーンを解こうとするがうまくいかない。
「あれ、白井さん?」
 声のした方を振り返ると、そこには見覚えのある女性が立っていた。あやこはこの女性のことをよく知っている。あやこの上司だ。
 あやこは鼓動が速くなっていくのを感じた。じわり、じわり、と「似合わない」と言われるのではないかという恐怖が心に浸食してくる。今すぐこの場を走り去りたかった。それなのに、体が動かない。
「こ、こんにちは……」
 かろうじてあいさつをしたあやこはうつむいた。
「珍しいわね。あなたがスカートなんて」
 そう言われてあやこの心臓はさらに速くなる。出来ることなら今すぐ声をあげて誰かに助けを求めたい気分だ。しかし上司はそんなあやこの様子に気がつくはずがない。

「似合うじゃない」

 あやこは弾かれたように上司を見た。上司はにっこり、と笑っていた。
「白井さん、最近よくスカート穿けって言われていたけれど、あまり乗り気じゃなかったでしょう?だから、私はあまり言わないようにしていたけれど似合うと思っていたのよ。特にそういうロングスカート」
 あやこはどのように反応すればいいのか、わからなかった。嬉しいけれど社交辞令だろうという気持ちもあった。そう思っていることを上司は察したのだろうか、言った。
「社交辞令じゃないわ。本当よ」
「……あの」
 あやこは勇気を出して口を開いた。緊張でどれほど喉が渇いているのか実感した。しかし、すぐになにを言えばいいのかわからなくなった。そんなあやこを見て上司はまた言った。
「無理して急に変わらなくていいのよ、白井さん。自分がスカートを穿きたいと思ったら穿いたらいいし、今日はズボンの気分かなって思ったらズボンを穿いたらいいし。
 まあ、私はスカートのほうが似合うと思うけれどね」
 あやこはそのとき、すっ、と胸が軽くなっていくのがわかった。下を見て自分が穿いているロングスカートを見た。心の痛みと悲しみでしかなかったロングスカートは、よく見ると質素ではあるが、可愛らしいことにあやこは気がついた。すると、ロングスカートに愛着が沸いてきた。
「ありがとうございますっ」

   あやこは笑顔で上司の顔を見て、お礼を言った。そのお礼にさまざまな思いを込めながら。

 あやこという客がいなくなったカフェでは、マスターがあやこの座っていた席を眺めていた。そして指をパチンッ、と鳴らす。すると、淡く白い光が現れ次第に一か所に固まるようにして集まり、虹色に輝く結晶となった。その光は次に上半分からはいくつもの短い棘が生え、下半分は三つの脚が生え、自立できるような形になった。マスターは結晶を手に取り、満足そうに笑みを浮かべた。
「今回のものは一層美しい。ずいぶんと長い間あのお客様は悩んでいたようだ」
 マスターはいろんな角度から結晶を眺めた。少女はその様子を見て、マスターに訊ねた。
「ねえ、マスター。どうしてその結晶ができるの?」
 マスターは結晶を眺めたまま答えた。
「この結晶は人々の悩みだ。人々の悩みほど美しいものはない……!結晶は人によって形も純度も違う。人が悩んでいる期間が長いほど、純度が高い。ああ、それにしても美しい……!」
 マスターはうっとりとしている。少女はマスターにまた訊ねた。
「ねえ、マスターはどうしてその結晶を集めているの?」
「そうだね……、美しいからかな。多くの仲間はこの結晶を醜いと言うけれど、私からすればこれ以上美しい物はない」
 マスターはもう満足したのか、マスターは棚から何も入っていない瓶を取り出した。蓋を外し、その瓶の中にあやこの悩みの結晶を入れ、棚に戻す。棚にはいくつも並んだ瓶の中には様々な形をした結晶が入っている。
「この店を開いてよかったよ。いい結晶がよく集まる」
 マスターは棚を見つめた。
「私も、この店にいれてよかった」
 少女はそう言って絵本に視線を戻した。マスターは少女を見て微笑んだ。しかし、その微笑みは保護者が浮かべるようなものではなく、粘着的で女という性別であれば背筋に悪寒が走る笑みであることに少女は気がついていなかった。